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岡沢亮 contact: boiledend0320[@]gmail.com http://researchmap.jp/ryookazawa

10年前の「新しい芸術社会学」

およそ10年前に「新しい芸術社会学」に関して論じたもの。

de la Fuente, Eduardo, 2007, "The ‘New Sociology of Art’: Putting Art Back into Social Science Approaches to the Arts," Cultural Sociology, 1(3): 409–425.

・1970年代以降の芸術社会学を特徴づけていたのは、芸術社会学を次のようなものとして見る傾向性だった。すなわち、哲学的なアートの解読とは異なるものであり、芸術の生産と消費の具体的なネットワークの研究を好むものであり、芸術家の世界観と芸術界を懐疑するものである。「新しい芸術社会学」は、これらの前提を再解釈するようになってきている。

[ざっくりまとめると]以下のような傾向が最近は見られる。

・美術史、カルチュラルスタディーズなど他領域との接続が見られる(Inglis and Hughson eds)。

・美的要素が社会生活の中で果たしている具体的な効果に目を向けるようになっている(DeNora, Molotch)。

・芸術作品それ自体に着目し、「作品性」に注目したり、作品をアクターや何らかの「過程」の結果としてとらえることがなされてきている(Becker et al.)。

Becker, Howard, Robert R. Faulkner and Barbara Kirshenblatt-Gimblett eds., 2006,  Art from Start to Finish: Jazz, Painting, and other Improvisations, Chicago and London: University of Chicago Press.

DeNora, Tia, 2003, After Adorno: Rethinking Music Sociology, Cambridge: Cambridge University Press.

Inglis, David and John Hughson eds., 2005, The Sociology of Art: Ways of Seeing, London: Palgrave.

Molotch, Harvey, 2003, Where Stuff Comes From: How Toasters, Toilets, Computers, and Many other Things Come to be as They Are, New York: Routledge.

*論文にはもうちょっと色々書いてあったものの、全体的に全然ワクワクさせない感じが驚異的で、かえってここに記録したいというモチベーションが生じてしまった。鬼越トマホークが我が家に「お前らが3人集まってもワクワクしねぇんだよ」と言っていたのが思い出される。上に挙げたなかではInglis and Hughsonを修士の頃に読んで、目の覚めるような退屈さだった記憶がある。しかしBecker et al.と合わせて、一応もう一度借りてきた。