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『現代思想』2017年3月号「社会学の未来」にかこつけて

現代思想』2017年3月号「社会学の未来」特集をざっと読んだ。

 

筒井論考と太郎丸論考は非常に勉強になった。

後者は、最近の計量的な社会学における比較的新しいデータ測定法について簡単な紹介がなされている。参考文献はAnnual Reviews of SociologyASRが多かったので、計量専門の人はすでに知っている内容かもしれないが、私は専門でもないし、それらの雑誌については関心が近い論文や人から勧められた論文しかチェックできていないので、こういう風に日本語でまとめて読めるのは大変ありがたい。『社会学評論』の研究動向レビューも海外の新しい雑誌論文を紹介する形にしてほしい。

あと、そこで言及されている、ある「フィールド実験」(アングロサクソン系の名前を名乗った場合とユダヤ系の名前を名乗った場合のどちらかがホテルの予約を拒否されやすいか)をみて思ったことがある。東大の大学院では外国人留学生用のチューター制度があるが、日本人院生は留学生に対して偉そうに振る舞うことが多いらしい(というかチューターに限らずゼミとかでもそうかもしれない)。私も何度かそういう場面や関連する話を見聞きした事がある。留学生が何系なのか、どの国の大学を出ているのか、といった情報によって東大院生側の態度が変わるかどうか、というのは実験してもいいかもしれない。もちろん指摘されているように、倫理的問題はあるだろうが。

 

中村論考は、博論のまとめ+アルファ。博論はすでに読んだことがあるが、こうしてまとめてもらえるのは(人に勧める時にも)便利でありがたい。しかし、最後の『概念分析の社会学1・2』がポスト分析的エスノメソドロジーだという部分は、『概念分析の社会学』を読んでいない人には唐突すぎるし、そこそこ熱心に読んだ人にとっては、あまりにも概略的で短すぎるだろう。ちょっとよくわからない構成だった。

 

北田論考も読んだが、ほとんど関係のない話をすると、行為の(意味の?)事後成立説といえば、以前EMCA関係のゼミに出入りしていた時に、EMCAを何年も習っているらしい人が事後成立説を強固に主張してきたので一応反論したところ、最終的に「まあEMCAは難しいですからね、勉強してない人にEMCAの立場を伝えていくというのが私の課題です」などとまとめられた思い出がある。

 

現代思想 2017年3月号 特集=社会学の未来

現代思想 2017年3月号 特集=社会学の未来