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岡沢亮 contact: boiledend0320[@]gmail.com http://researchmap.jp/ryookazawa

『身体的魅力の心理学』と社会学

The Psychology of Physical Attraction

The Psychology of Physical Attraction

The Psychology of Physical Attraction面白かった。人がいかなる身体的特性を魅力的だと感じるのか、それはなぜかについて、進化心理学社会心理学の既存研究をまとめて紹介してくれる。

思ったよりも、身体的特徴の好みの文化的社会的差異や、それに影響をあたえる文化的社会的要因を重視している印象。もう少しヒューマンユニバーサルがどうこうみたいな感じかと勝手に考えていた。これはだいたい10年前の本なので、その後の研究がどうなっているか知らないが。最後の章はルッキズムのような差別に対して、こうした研究による事実と偏見の解明を通じて対抗する可能性についても少し論じられている。

(進化)心理学者さえも社会構築主義的説明を真っ向から無意味だとして批判しているのではなく、いわゆる文化的社会的な要素を考慮しながら研究を進めている——メディアにおける理想的身体の表象の研究者も紹介されていた——ことについて、社会学者は真面目に受け止めて、自分が何をできるか考えた方がいいだろう。

なお、進化心理学の先行研究についても検討した上で、どのような人物に魅力を感じるかという問題について、権力との関係から論じた社会学研究として私が知っているのは、John Levi MatinのIs Power Sexy? 彼の論文のなかではそれほど引用されていないが。 

Is Power Sexy? on JSTOR